パラジウムの市場金額は2021年後半も上がり続けるのか!?

今年も半年が過ぎましたが、一昨年から続いているパラジウム価格の高騰は、コロナ禍が続く中でどの程度の影響を受けているのでしょうか?貴金属総合メーカーの石福金属興業による見通しに迫りました。

 

パラジウムの2021年前半の動向は?

昨年後半の流れを継続する形でパラジウム先物市場での取引がスタートしましたが、鉱山の浸水事故を引き金に上昇に転じ、上伸、一旦下落、再び高値に転じるなどの値動きを見せ、現在の価格で推移しています。

 

 

パラジウムの主な市場の動きは?

昨年後半に、中国を中心とした「自動車需要の回復」、南アフリカ共和国の「主要鉱山での生産回復」といった需給両面での立ち上がりがあった中で、今年も引き続き「需要が供給を上回る」という状況が継続するとの見通しの中で、パラジウム価格は昨年後半の流れを継続する形で推移しています。その流れが大きく変わったのは3月中旬です。パラジウム生産大手であるロシアのNorilsk Nickel(ノリリスク・ニッケル)社の所有する2鉱山で浸水事故が発生し、その影響によってパラジウムなどのPGM(白金属元素)生産の下方修正が発表されたことでした。この発表により、需給逼迫が改めて意識され、パラジウム価格はレンジを飛び越え上昇に転じました。

4月に需給要因だけでなく、金を含めた商品市場全般の価格上昇も支援材料となり、5月3日には1〜5月での最高値まで上伸。以降は、ノリリスク・ニッケル社の事故後の対応が順調に推移していること、米消費者物価指数の予想外の上振れによるアメリカの金融緩和縮小への懸念、世界的な半導体不足による自動車生産への影響などが意識され、価格は一旦下落するも、5月末にかけて概ね2700〜2800ドルの高値で推移しています。

 

 

パラジウムの今後の市場見通しは?

6月に入り、FOMC(連邦公開市場委員会)による利上げ見通しの変更に伴うドル指数の急伸で、パラジウムを含む商品市場全般の価格が下落しています。ノリリスク・ニッケル社の供給減少により、パラジウム相場は今後も底堅く推移すると想定されますが、半導体不足による自動車生産への今後の影響、中国での商品価格抑制に向けた対策による、主に投機面での需要動向などには、引き続き注視が必要と思われます。

 

 

歯科スクラップ・歯科表金属はいま売りどき?

前述のように、2021年後半もパラジウムの市場価格は堅調に伸びると予測されていますが、コロナウイルスをはじめ注視すべき項目が多いのも実情です。昨年から続く高値の波を読んで、いま一度売却を検討するタイミングかもしれませんね。
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