歯科業界最新ニュース厳選3記事_その2
2020-1-25
■ オーラルフレイルの危険性64歳以下でも5割以上
サンスター(株)が実施した「オーラルフレイルに対する意識調査」によると、オーラルフレイルの危険性がある人が64歳以下でも5割以上であることがわかりました。調査は20歳以上の男女6000人(5歳刻みで各50人ずつ)を対象にインターネットで、2019年11月に実施されました。
オーラルフレイルのリスクチェックの設問で、「オーラルフレイルの危険性あり」の該当者は22.0%。「オーラルフレイルの危険性が高い」は30.8%で、オーラルフレイルの危険性がある人が5割以上いることが分かりました。また、65歳以上で「義歯を使用している」割合は43.3%。オーラルフレイルの症状である「口の乾きが気になる」「さきいか・たくあんくらいの硬さのものが噛めない」「半年前と比べて外出の頻度が少なくなった」等の項目は、2割以上が該当しました。64歳以下では、65歳以上に比べて「歯を磨く頻度は1日に2回未満」「歯科医院の受診は1年に1回未満」のスコアが10ポイント以上高いという結果でした。
オーラルフレイルの危険性あり・危険性が高い人の生活習慣病に関する設問の回答を見ると、特に「忙しい時など早食いしてしまう(51.8%)」「普段硬いものをあまり食べない(36.6%)」といった食生活に関する問題が、オーラルフレイルの危険性が低い人に比べて10%程高く、また「人と話さない日が週に1日に以上ある(36.6%)」のスコアでも約10ポイント程高く、コミュニケーションが少なく食事以外で口を使う機会が少ない可能性があるのが明らかになりました。
オーラルフレイルの危険性あり・危険性が高い人は、「食べたいものを我慢している(19.5%)」で、オーラルフレイルの危険性が低い人の7.1%に比べて2.7倍高い結果となりました。
あなたの歯科クリニックの患者様はいかがでしょうか?治療の際の話のネタに聞いてみるのもいいかもしれませんね。
■ 12歳児の虫むし歯等数は0.70本
令和元年度学校保健統計調査の速報値によると、12歳児1人当たりの永久歯のむし歯数が0.70本となりました。前年より0.04本減。昭和59年度の調査開始以降、ほぼ毎年減少し過去最低となっています。12歳児のむし歯等数は、平成元年の4.30本から11年では2.92本、21年では1.40本と減少し、27年に0.90本と1本を下回りました。
例話元年度の0.70本の内訳をみると、処置歯0.45本、未処置歯数0.24本、喪失歯0.01本。小学校が44.82%で最多、高等学校43.68%、中学校34.00%、幼稚園31.16%の順。未処置のある者の割合では、小学校54.91%が最も多く、次いで幼稚園52.68%、中学校49.00%、高等学校46.15%と続きます。
年々減少を続ける若年層のむし歯は、歯科医師にとっては喜ばしいことかもしれませんが、今後さらに少子高齢化が進むことを考えると、他のクリニックとの差別化がますます求められるようになるでしょう。
■ 東京都歯科衛生士会が初の求人情報サイト公開
東京都歯科衛生士会は今月(令和2年1月)、歯科衛生士の就職支援と歯科医院をはじめ歯科衛生士を必要としている職場をサポートする求人情報サイト「aiあるDHナビ」を立ち上げました。6日から雇用側の求人登録や求職者側へのメールマガジン登録を開始しています。
都衛は都の事業として、歯科衛生士復帰支援のための研修会を2014年から毎年実施していて、参加者から就業場所の紹介を頼まれるケースも少なくなかった模様です。また、歯科衛生士の社会的役割が拡大していく中で、歯科医院や病院などの医療機関、施設、行政においても歯科衛生士のニーズが高まっている半面、人材の確保が難しいという現状も踏まえ、サイトの運営に踏み切りました。
扱う求人情報は東京都および近隣県が中心で、求人広告の掲載料はサイトから申込の場合は月1万円(会員推薦3千円)と、公益社団法人ならではの低価格を実現。6ヶ月掲載ならば5万円(会員推薦1万5千円)とさらに価格を抑えられる仕組みになっています。求職中の歯科衛生士は、「勤務エリア」「雇用形態・給与」などの絞り込み機能により、自分にあった職場を検索できる仕組み。さらに、不安や悩みがある人を対象に相談窓口も設け、先輩歯科衛生士がフォローします。
都衛の藤山会長は「より多くの歯科衛生士がますます活躍できるよう、また歯科衛生士の希望に沿った職場が見つかるようにとの思いを込めてサイトを開設しました。都民のみなさま、歯科衛生士にとって、役立つ場となるようにさまざまな情報発信に努めた参ります」と語りました。
業界を問わず人材不足が叫ばれる昨今、同様なサービスが多く生まれてきていますが、関西は一歩遅れているかも知れませんね。歯科衛生士の確保はクリニック経営の生命線でもあります。あなたのクリニックはどんな工夫をされていますか?
出展:日本歯科新聞社